Home › イワタニ・プリムスのブログ

Sleep Well for Tomorrow イワタニ・プリムスのブログページへようこそ

このページでは、当社商品の情報や使い方のヒントをはじめ、当社スタッフが体験したことや出展したイベント、当社アドバイザーやサポートアスリートの情報を掲載しています。

2022.12.02
創業130周年を迎えたPRIMUSのスタッフにおこなったインタビューをご紹介します

heritage collection

「私たちが日本のマーケットを大切に考えるのは、日本のみなさんから求められる品質や要望に応えることはプリムス製品の品質を高めることにつながるからです」と日本に対する想いや製品開発についての考え方、そしてみなさまへのメッセージを伺うことができましたのでご紹介します。

Per CEO

Per CEO:私のバックグラウンドはメカニカル・エンジニアリングです。学校を出た後はずっとアウトドア業界で働いてきて、縁あってPRIMUSに入社し、プロダクト・マネジャーを務めました。スウェーデンで勤務した数年後に北米マーケットの責任者としてアメリカのコロラド州でおよそ4年間を過ごし、PRIMUSブランドを育てる仕事をしました。そして2020年の春、スウェーデンに戻りPRIMUS社のCEOに就任しました。

Per CEO

Eric:メカニカル・エンジニアとして2005年に働き始めてから、基本的に技術開発部⾨に所属しています。長年、燃焼器具の設計を担当しており、基本コンセプトの考案から、図面を起こし、プロトタイプのサンプルを作るところまで携わっています。個人的には、2016年にローンチすることができたキャンプファイア・コレクションのツーバーナーの開発が特に印象に残っています。

1. PRIMUSブランドにとって⽇本のマーケットはどのような位置づけでしょうか?

Per:
私たちが重視しているグローバルマーケットは主に3つあります。
まずは北⽶、ここで評価を獲得できるということは、強いブランドイメージ、PRIMUSがクールであるという評価を獲得できているということです。次にドイツ、ここでは技術的要件が重視されます。そして⽇本。⽇本では製品の精度や品質が重視されています。⽇本で求められる品質基準を満たすことができれば、世界中どこにでも品質に関する不安を感じることはありません。それが時に私たちにとっては重いプレッシャーになることもありますが、⽇本からの要求は常に私たちの品質基準を押し上げる⼀助となってきました。PRIMUSは、1985年にイワタニ・プリムスを岩谷産業と共同して立ちあげ、日本のスタッフと一緒に品質の向上について取り組んできましたが、こういった⽇本市場での試みがなければ、私たちはここまで辿り着くことはできなかったでしょう。

2. PRIMUSにとって、何か新製品を開発する際に⼤切にしている価値観はありますか?

Per:
PRIMUSのプロダクトは、常に競合製品にプラスして何か重要な価値を付加するものでなければなりません。
PRIMUS製品を選び、購⼊し、使ってもらった時に確かな満⾜感が得られるように、PRIMUS製品は実際にユーザーがアウトドアで使⽤する際のエクスペリエンスを重視してデザインされています。PRIMUS製品は、常に購⼊時に⽀払った⾦額以上の価値があるものだと満⾜いただけることを確信しています。 PRIMUSは、良い意味でトレンドを後ろから追いかける会社です。ひたすらに最先端の技術を追い求めるだけではなく、ある程度マーケットで実績を積み重ねてきた既存の技術を改善したり、組み合わせたりしてより良いアウトドア体験を創出することにフォーカスしているのです。もちろん、⼀部の商品では私たち⾃⾝がトレンドを作り出すためにマーケットの先頭を立つこともありますが、私たちは決して技術的な⾰新性だけを追い求めるブランドではなく、それが本当に使いやすいか、フィールドで機能するのかというところに価値を見出しています。

Eric:
PRIMUSは、特にブランドとして商品カテゴリを⼿広く展開することは考えていません。PRIMUSは常に燃焼器具のブランドであり、アウトドアを楽しむ⼈たちのために⾷事と明かりを提供するブランドです。私たちは “どれだけ早く⽔を沸かすことができるか” だけではなく、いかにフィールドで美味しい⾷事と良い時間を過ごすことができ、冒険者にエネルギーを与えられるかを考えています。もちろん、機能⾯が優れていることは必要なことですが、それは私たちにとって前提条件に過ぎないのです。それを⽬的にしてはいけません。その先にあるアウトドアでの体験こそが私たちの⽬指すべきゴールです。

3. 近年、燃焼機関から電⼒エネルギーへの置換が進む業界が増えています。アウトドア業界においても同様のムーブメントは起こるのでしょうか?また、そのような未来に向けてPRIMUSが取り組んでいることはありますか?

Eric:
熱量という観点から話すと、現在のバッテリーのエネルギー密度は、ガス燃料が供給することのできるエネルギーに及びません。具体的には、6kgのバッテリーのエネルギー量は僅か40gのLPガスと同等です。250⽸と同等サイズのバッテリーでは、1Lの⽔を沸騰させることもできないのです。電気⾃動⾞のように電⼒を動⼒として取り出す場合には内燃機関によりエネルギー効率が良くなる⾯もありますが、熱を取り出すことについて現在のバッテリー技術はガスの燃焼には及ばないのです。
もちろん、将来的にバッテリーに関する⾶躍的な技術⾰新がある可能性はありますので、私たちは常に最新のバッテリー技術についてもリサーチを進めています。⼗分な能⼒をもつバッテリーが現れた際に、伝統的なガスストーブが⽂字通り化⽯と化してしまわないように、PRIMUSとしても燃焼技術と共に電⼒を活⽤するための準備は進めています。

4. 何か⽇本のPRIMUSファンに向けてメッセージはありますか?

Per:
スウェーデンではこのパンデミックを経てより多くの⼈がアウトドアを楽しむようになりました。エントリーユーザーにとっては、ギアはもちろんのことですがアウトドアの楽しみ⽅そのものについても分からないことだらけです。
PRIMUSとしては、今後はPRIMUSブランドのプロダクトを紹介するだけでなく、それぞれのPRIMUSギア
をどのように使い、どのようなアウトドアでの楽しみ⽅ができるのか、例えばどんなフィールドに出かけてどんな料理を作るのか、そんな “レシピ” の紹介に⼒を注ぎたいと考えています。

Eric:
⽇本のアウトドアやキャンプに対する物事の考え⽅をヨーロッパに伝え広めてほしいと考えています。⽇本のキャンパーたちはよくデザインされた優秀なギアを選び、それらを全て綺麗に、またコンパクトにパッキングして、とてもシステマチックにアウトドアを楽しんでいるように⾒えます。

Per:
私たちにとって⽇本は⾮常に重要なマーケットです。恐らく⽇本のユーザーの皆さんはPRIMUSについてある程度のことを知っていただいているのかもしれませんが、逆に私たちは⽇本のアウトドアについて実はよく知らない部分も多いのです。
今後はさらに⽇本の⾃然と、その中での皆さんの遊び⽅、PRIMUSギアに対するニーズなどに対する理解を深めていき、私たちにとってもより良いプロダクト開発に繋げていければと思っています。ぜひ皆さんの声を届けてください。楽しみにしています!

アーカイブ

2023年5月
2022年12月
2022年10月
2022年8月
2022年5月
2022年3月
2021年2月
2020年9月
2020年7月
2020年1月
2019年12月
2019年11月
2019年9月
2019年7月
2019年3月
2019年2月
2019年1月
2018年12月
2018年11月
2018年10月
2018年9月
2018年7月
2018年6月
2018年3月
2018年2月
2018年1月
2017年12月
2017年11月
2017年10月