IWATANI-PRIMUS イワタニ・プリムス株式会社

Base Camp イワタニ・プリムスがお送りするアウトドアを深く楽しむための情報ページ

アウトドアにお出かけになる場合は、引き続き、当該地区の自治体や受け入れ場所等から要請される感染防止に関する内容に協力するとともに、新しい生活様式に基づいた行動を心がけましょう。

輪行袋を持ってツーリングに出かけよう!

文・栗山尚久(自転車ライター/編集者) 写真・岩崎竜太

イメージ

ロードバイクの楽しみは玄関を出て、走り出せばすぐそこが遊びのフィールドになるという点。ほかのアウトドアスポーツとの最も大きな違いがここにあると思います。決まり事も交通ルール以外には特にありません。自宅から走り出して50〜100km走ってその日のうちに帰ってきてもいいし、もっと遠くまで、距離でいうと100km〜160kmのプランを立てて走りに行くのも、楽しみの1つです。
100kmという距離が、自転車に乗り始めた頃の1つの目安だったのですが、走り慣れてくると、気持ちのいい道にたどり着くまでのアプローチの長さに気づき、つまらなく感じてきます。最初に「玄関から出たらすぐに遊びのフィールド」と書いておきながら、毎回家からのスタートだとどうしても同じようなルートになりがちで、できることならまだ走ったことのないルートを、一番気持ちのいい区間を長く時間をとって走りたい、と思うようになってきました。


輪行袋を携えて気ままな自転車旅へ

私がオススメするのは、輪行袋を携行して、興味ある事柄を道中に織り交ぜた気ままなツーリングです。「自転車旅」と言い換えてもいいと思います。目指す場所は、自分の気持ちの赴くまま。いつか行ってみたかった古き良き風情の残る城下町や各地の温泉地でもいいですし、走り自体を楽しみたいなら峠や岬なども目的地になります。私の場合は、どうも端っこの方を目指してみたくなる傾向があるようです。

イメージ

気ままな自転車旅の必須アイテム、その1は輪行袋

輪行袋というのは、自転車を電車などの公共交通機関に持ち込み運ぶために必要な袋のことです。5000〜6000円程度から購入することができます。重量はオーソドックスなロードバイク用で500g以下。これくらいの重量なら、バックパックに入れて走っても負担にならないですよね。最寄り駅から自転車では走りづらい都心部を電車で移動し、郊外から走り出すことができますし、逆に、そろそろ帰ろうかなという時には、ルート近辺の駅から帰路につくことができます。そんな安心感と、プランニングの自由度を手に入れることができるのが輪行袋です。たとえ使わない時があったとしても、バックパックに常備しておくのをお勧めします。

気ままな自転車旅、私のお勧めは房総半島

東京からなら千葉県の房総半島、野島埼灯台を目指すのはどうでしょうか?JR内房線、JR外房線と海岸線沿いにグルッと鉄道が通っているので、自転車で走りづらい市街地は電車を使ってショートカット、田舎の駅から走り始めればいいとこ取りのサイクリングプランが組めます。自転車は車線の左端を走るので、半島を巡るなら時計回りを意識すると、海側を走り続けることができます。

例えば、外房をグルッと回って、内房の行けるところまで走るのもいいですし、そこまで距離を走らない人は房総半島の最南端を通る『房総フラワーライン』を走るだけでも気持ちいいはず。季節に応じて、さまざまな草花が楽しめるのが、この道のいいところ。椰子の木が並んでいる区間を走っていると、遠く南国にきた気分が味わえます。

イメージ

気ままな自転車旅のちょい足しアイテム、アウトドア用のコンロ

岬の最南端、野島埼灯台を眺めながら、少し立ち止まって休憩していると、行き交う大型船が沖をゆっくり通り過ぎていく穏やかな光景に時を忘れます。さらに小型のガスコンロやクッカーをバックパックに忍ばせておくと、さっと温かいコーヒーが飲めて、ほっこりタイムも満喫。急ぐ旅でもないし、野外でちょっぴり贅沢な時間を過ごすには、こんなアイテムもあると楽しさが増します。 さらに余裕がある時は、食材も用意してアウトドア用のコンロを使って簡単なランチを作ったりすることもあります。何をバックパックに入れるかは、その日の気分によるところが大きいですが、帰り間際に温泉や銭湯に入って帰ることも多いので、タオルは必携です。夏場は特に着替えも入れていきます。そのほかには、なんでもスマートフォンで済ませられる時代になりましたが、輪行時に読むための本も持っていきます。私にとって自転車は旅する相棒のようなもの。自転車から降りて、輪行している間の過ごし方も大切なのです。

イメージ

気ままな自転車旅の必須アイテム、その2はバックパック

輪行袋など気ままな自転車旅に持っていく装備を入れるバックパックには、バイク(自転車)専用のモデルがお勧めです。登山用やタウンユースのモデルとは違いがあり、走っているときの体勢を考慮したデザインでトップとボトムのボリュームが抑えられています。これにより、走行中の安定感が高いのです。容量も荷物に応じて使い分けます。最も多く使っているのが、14〜20L程度の大きさのもの。ワンデーツーリングであれば、20Lだと大きすぎるかもしれません。機能としてあるとうれしいのは、レインカバーとヘルメットホルダー。レインカバーを言わずもがな、急に天候が悪くなった時に重宝します。また、ヘルメットホルダーは輪行時など、ヘルメットをかぶらなくていい時にあると便利です。

イメージ

景観を楽しみながらのツーリング

房総フラワーラインを須崎灯台経由で、時計回りに走っていると、館山の町に入ります。時間に余裕があれば、国道127号を北上して、JR富浦駅近くにある原岡海岸が美しい夕陽が見られるスポットです。長い木製の桟橋と、海に陽が沈みゆく夕暮れの光景が映画のワンシーンのよう。視界が良ければ、遠く富士山のシルエットも見えるはず。ここを目標に走っていくだけの価値があると思います。桟橋の外灯が灯る頃、どこからか人が集まってきました。地元の人にとっても、憩いのスポットのようです。

イメージ
photo
photo

夕暮れが迫ってきたら、帰路に着きます。普通にJR内房線を使って帰るのもいいですが、金谷港から東京湾フェリーが神奈川県の久里浜港まで出ているので、フェリーを自転車旅の行程に織り交ぜるのも楽しいです。東京からも比較的近く、1日たっぷり使って楽しめるのが房総半島のいいところです。

気ままな自転車旅はきっと特別な思い出に

自転車旅のプランニングには、走る本人の興味が色濃く反映されると思います。もし、輪行ツーリングに出てみようかなと思ったら、あなたが心強く惹かれる道やスポットを選んでみてください。輪行袋があれば、遠くまで行き過ぎても電車で帰ることができますから、あまり気負わずに走り出してみましょう。必ず、自転車で走ったからこそ感じ取れる、素敵な光景と巡り合えるはず。あなただけの特別な時間を探しに、ぜひ自転車で旅をしてみてください。

イメージ
photo
photo
おすすめのアイテム
ドイター レースEXPエアー

ドイター レースEXPエアー

+3L分の容量アップができるバイク専用バックパック。背中側の空間が熱気を溜めず、新鮮な空気を取り込むのでロングライドでも快適な走りができます。

ドイター バイクⅠ 20

ドイター バイクⅠ 20

日帰りツーリングには少し大きいかもしれませんが、1泊2日となれば20Lくらいの大きさも選択肢にいれておきたいところ。万が一のリペアキットなどを収納する大きめのフロントポケットも備えています。

プリムス 153ウルトラバーナー

プリムス 153ウルトラバーナー

くつろぎのコーヒータイムを演出してくれるアウトドアコンロ。湯を沸かすだけではなくアウトドアクッキングにも活躍します。軽量でコンパクトな収納サイズなので気兼ねなくパッキングができます。

プリムス イージークックNS(ノンスティック)・ソロセットM

プリムス イージークックNS(ノンスティック)・ソロセットM

注ぎ口があるのでドリップコーヒーに沸かしたお湯を注ぐこともでき、調理もできるクッカーです。深めの蓋は、取り皿的にも使用できるので1つあるととても便利です。

ソース ワイドパック1.5L

ソース ワイドパック1.5L

ライディング中にこまめに水分摂取をするのに適した給水タンクとチューブのハイドレーションシステムのセット。ドイターのバックパックの中にスマートに収納ができます。たくさんの汗をかく季節は、容量を大きくしても良いと思います。休憩時に冷えた好みのドリンクでのどを潤すのとは別に、脱水症状を防ぐためにも用意しておきたいアイテムです。

ラーケン トライタンボトル0.75L

ラーケン トライタンボトル0.75L

湯沸かしや調理用の水は別途用意しておくと良いでしょう。

栗山尚久(くりやま ひさし)

栗山尚久(くりやま ひさし)

学生時代に全国各地を自転車ツーリングし、その楽しみに目覚める。プロサイクルショップで働いたのちに、2005年より自転車専門誌の編集スタッフとして雑誌作りに携わる。現在はフリーランスの編集兼ライターとして活動中。

PAGETOP