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岩と雪から樹林帯まで。
対応幅の広いアルパインブーツ

ローバー/チェベダーレプロGT

文:北村俊之(山岳ガイド)

本ページの内容は商品インプレッション記事のため、使用者個人の感想を含んでおります。

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残雪から草付路面まで対応

私の主なガイドエリアとなる立山・剱岳など北アルプス北部の山々は、いわゆる豪雪地帯。夏山シーズン中でも山中に豊富な残雪があり、登山の際はその上を歩くことが多くあります。

そのため、私にとっての夏山用の靴の条件は、以下の2つが重要になります。

1.クランポンを付けて安定して歩くことができる
2.岩場で激しい使い方をしても簡単には壊れない堅牢性

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    剱岳は夏でも残雪が豊富にある

剱岳の岩場は、ヨーロッパアルプスを目指すクライマーのトレーニング場所として最適といわれています。ただし、日本の山はヨーロッパアルプスとは異なり、岩と雪だけで構成されているわけではなく、アプローチや下山の際に、滑りやすい木の根が入り組んだような急斜面や草付き地帯などを通らなければならないことも多いものです。

つまり、北アルプスで使いやすい靴というのは、岩と雪に強いだけでなく、さまざまな路面にも対応できる必要があるわけです。

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    こういった滑りやすい草付き路面も多いのだ

足首周りとソールパターンがカギ

チェベダーレプロGTは、ヨーロッパアルプスなどの岩稜を想定して開発された靴ではありますが、1シーズン履いてみたところ、日本の山特有の路面にも対応できる靴だと感じました。

具体的には、足首周りの柔らかさとタンのフィット感のよさ。これのおかげで、長時間の歩行も苦になりません。

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    足首の屈曲部分はレザーを大きくカットしてやわらかい素材を配置。左右非対称デザインのフレックスフィット・シンクロ、Iロック、2ゾーンレーシング、C4タング、Xレーシングなど、足首周りの柔軟性とフィット感にとことん凝った設計(詳しくはこちらから

もうひとつは、ソールブロックパターンの設計がよいこと。草や泥が多いなど足場が悪いルートで安定した歩行をするためには、靴のソールのゴム質よりもブロックパターンのデザインのほうが滑りにくさに大きく影響すると私は考えています。チェベダーレプロGTはここが優れていると感じました。

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    落ち葉が積もるような急斜面でも滑りにくい

ついつい出番が増える一足

夏の間は、ほぼ毎日、山に入る生活になるため、複数の靴を用意してローテーションを組み、行くルートの特徴に合わせて使い分けているのですが、結局のところ、自分の好みに合った靴の使用頻度が高くなってしまいます。このチェベダーレプロGTは、岩稜だけでなく、なんにでも使える懐の深さがあるので、余計出番が増えたように思います。

ひと夏が過ぎてソールはだいぶすり減ってしまいましたが、アッパーはゴムのランドの一部が少し傷んでしまっただけ。ワンシーズン使い続けて製品への信頼性も増したので、おそらく来シーズンも、これを自分のメインブーツとして使い続けると思います。

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photo北村俊之(きたむら としゆき)
日本山岳ガイド協会認定国際山岳ガイド。8000m峰8座の登頂経験をもち、ヨーロッパアルプスなど海外の山から、北アルプスなど国内の山岳まで、幅広くガイディングを行なっている。立山ガイド協会に所属しており、国内のホームグラウンドは立山・剱エリア。

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