進化を続けるエアコンフォートシステム
このパックを背負って、まず、その軽さに気がついた。1080グラムという数値上の話だけではない。背負ったときのフィット感や安定感など、全体的なバランスのよさがスペック以上の軽量感を生みだしている。
スペクトロAC32は
ドイターが25年以上にわたって培ってきた
エアコンフォートシステムをさらに進化させたものだという(エアコンフォート・フレックスライトシステムを採用)。2種類の軽量フレームがパック本体に柔軟性と剛性、そして軽量感を実現しているのだ。
実用性を考えた、使い勝手のよさ
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アウター類のほか、頻繁に出し入れする小物やギアなどを収納するのに便利な大型のストレッチポケット |
フロント下部から大きく開くフロントオープニングシステム。パックの奥に収納したものでもすばやく取りだせる |
さっそく荷物を詰めこみ、屋久島の森を歩きにいった。向かった先は、島の中でも特に苔が美しい白谷雲水峡。この日は2月下旬ながら、平地では最高気温が20度を超える暖かさ。標高600メートル以上にある白谷雲水峡も春の空気が漂っていた。
普段はツアー参加者にレクチャーをしながらのんびり歩くことが多く、ソロ・トレッキングは久しぶりだ。ひとりだと歩くペースも速くなり、30分もすれば、じわじわと汗がにじみ出てくる。アウターを脱ぎ、パックのフロントパネル部にある「ストレッチポケット」につっこむ。この辺の使い勝手がいい。
使い勝手のよさでは、「フロントオープニングシステム」も見逃せない。フロント下部のジッパーが開閉し、パック内の荷物にすばやくアクセスできる。ファーストエイドキットなど、即座に使いたいものを取りだせるのは嬉しい。
こだわりの快適性能
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背中とバックパックの間には、エアが吹き抜けるためのクリアランスがしっかりと確保されている |
通気孔のあるフォームパッドを使用したショルダーストラップ。ヒップベルトのパッドも同じ構造 |
さらに登りつめていくと、しだいに汗が頬を伝うようになる。いよいよスペクトロAC32の真骨頂、「エアコンフォート・フレックスライトシステム」がその機能を発揮するときだ。背中とパックの間につくられた空間を、春の空気が涼やかに抜けていく。背中に熱がこもるような感覚はまったくない。これなら、せっかくのレイヤリングが台無しになってしまうこともなく、ウェアの性能を最大限に発揮できる。温度も湿度もぐっと高くなる夏には、さらに威力を発揮してくれそうだ。
もうひとつ。夏のシーズンは毎日のように山へ入る我々ガイドにとって、大きな悩みがある。パックが汗臭くなってしまうことだ。ウェアなら数枚は持っているので、洗濯しながら着回せば済む話だが、パックとなると、そうもいかない。しかし、このスペクトロAC32なら、この悩みもあっさり解決してくれそうだ。
さらに、ショルダーベルトとヒップベルトには、「3Dエアメッシュ」素材と通気孔を設けたフォームパッドを使用。通気性と軽量化を両立した快適性能で、エアコンフォート・フレックスライトシステムと相まって、快適仕様になっている。今から夏のトレッキングが楽しみだ。

菊池 淑廣(きくち よしひろ)
1969年、東京都足立区生まれ。05年4月、家族とともに屋久島へ移住。同時に広告事務所「屋久島メッセンジャー」を設立し、「フォトライター菊池」として雑誌やウェブサイト等で屋久島の情報を発信しながら、コーディネーターやエコツアーガイドとしても活動している。10年夏に屋久島発信によるアウトドアウェアの新ブランド「forestin'gear」をリリースし、直営店もオープンする予定。著書に『屋久島で暮らす あるサラリーマンの移住奮闘記』(山と溪谷社)。
http://yakushima-messenger.com